Race Report from Circuit

2023/08/23

第4戦 富士スピードウェイ:戦略が噛み合わず20位フィニッシュも シリーズ後半戦へ浮上のきっかけつかむ – 2023 SUPER GT

FUJI SPEEDWAY(JPN)
August 5 / SAT – August 6 / SUN
Yogibo NSX GT3 [GT300 class]
Driver : Yugo Iwasawa / Reimei Ito

戦略が噛み合わず20位フィニッシュも
シリーズ後半戦へ浮上のきっかけつかむ


Report of Saturday

土曜日公式練習/公式予選

「第2戦とは違う」
公式練習から手ごたえを得る

2023年のSUPER GTは、2ヶ月のインターバルを経て今季前半戦の締めくくりとなる第4戦を迎えた。舞台は、5月の第2戦と同じ静岡県の富士スピードウェイ。5月のYogibo Racingはペースが上がらず、思わぬ苦戦を強いられていた。

2ヶ月のインターバルの間も、チームはペースの改善にトライし、岩澤優吾と伊東黎明のふたりが気持ち良くドライブできるようにYogibo NSX GT3を仕上げてきた。迎えた8月5日(土)、うだるような夏の暑さのなか、午前9時から行われた公式練習に臨んだ。Yogibo NSX GT3はまずは伊東がステアリングを握りコースインすると、二度のピットインを経て岩澤にステアリングを託した。セッション後半には気温も路面温度もどんどんと上がっていくなか、ストップ車両なども発生。赤旗中断を経つつ、終盤のGT300専有走行の時間帯には、岩澤は1分38秒209というベストタイムを記録した。

その後もフルコースイエローの訓練やサーキットサファリの時間なども有効に使いながらYogibo NSX GT3は精力的に周回を重ねたが、伊東、岩澤ともにフィーリングは良好。「第2戦の富士とは異なり、感触はすごく良くなっていて、タイムも出ていました」と言うのは伊東。公式練習の順位は9番手と、感触とタイムもしっかりと比例している。

第2戦、第3戦と果たせなかった公式予選でのQ2進出に期待が高まった。

上位グリッド目指すも
岩澤には悔しい予選に

好調な手ごたえを感じたYogibo Racing は、このラウンドをチャンスととらえ、公式予選での上位グリッドを狙った。公式練習を通じてニュータイヤを多く履いているのは、ここまで予選を多く担当している伊東だ。定石であれば伊東でQ1を突破し、Q2 を岩澤に託しなるべく上位を目指す……というものだった。しかしチャンスを最大化するべく、チームは岩澤にQ1を託し、Q2の伊東でさらなる上位を目指す戦略を採った。

Q1の重責を任された岩澤は、午後3時20分から行われた公式予選Q1のA組に臨むとアタックを展開。 5周目に1分38秒854をマークした。ただ、これは公式練習で記録したベストタイムにも届かないものだった。多くのライバルが公式練習よりもタイムを上げている状況で、Yogibo NSX GT3の順位はA組の13番手。総合では26番手という順位となってしまった。

SUPER GTで使用されるタイヤは非常に特殊で、性能を最大に発揮するには慣れが必要。これまでニュータイヤをあまり履いていなかった岩澤には辛い状況となってしまったが、岩澤自身も悔しさを露わにした。


Report of Sunday

日曜/決勝レース

序盤から伊東が好感触
追い上げをみせる

このレースウイークはずっと晴天で酷暑だったが、迎えた8月6日(日)の決勝日は、朝から曇り空。午前中のうちに雨が降り出し、ピットウォークは土砂降りとなった。ただその後少しずつ雨は止み、レース直前のウォームアップで路面は乾いた。しかし今度はグリッドで降り出すなど、不安定な天候となった。

結果的に雨が強く降ったことから、レースは全車ウエットタイヤを履いてセーフティカーランで始まった。スタートドライバーを務めた伊東は、3周目にセーフティカーが退去すると、まずは1ポジションアップ。その頃には雨は止み、路面は急速に乾いてきた。7周を終える頃にはスリックに交換する車両が現れはじめ、伊東も10周を終えピットイン。スリックタイヤを履いた。

各車のピットインが終わると、Yogibo NSX GT3の順位は17番手。ここから、乾いてきた路面で29 周目に1分39秒416を記録するなど伊東は好ペースで周回。直後に火災に見舞われた車両があり2回目のセーフティカーが導入されるが、再開後もさらに順位を上げていき、伊東のスティントが終わるころには入賞圏内の一歩手前までポジションを上げることに成功した。

伊東は51周を終えピットインし、岩澤にステアリングを託した。ピットアウトをした岩澤は、タイヤをウォームアップさせていくが、その直後、まさかのトラブルが襲った。車両の左側に違和感を感じ、Yogibo NSX GT3はまっすぐ走らなくなってしまう。岩澤は慌ててピットに戻ったが、なんと左リヤタイヤがうまく装着されていなかった。

せっかく中盤までポジションを上げていたYogibo NSX GT3だったが、緊急ピットインの影響でふたたび順位は下がってしまった。

岩澤はその後、追い上げを期してラップを重ねていくが、やはりYogibo NSX GT3の感触は悪くない。ただ62周目、GT300クラスのライバルが突如火災に見舞われてしまい、レースはセーフティカーランの後、消火活動のため赤旗中断となってしまった。

レースは当初午後4時10分に再開される予定となったが、なんと今度は中断中に雨が降ってきてしまった。それも降りが強く、レースコントロールは急遽レインタイヤへの交換を認めることに。幸い雨はすぐに止み、午後4時30分にリスタートを迎えた。

悔しい結果も
さまざまな経験を得る

岩澤は再開後、レインタイヤで周回を重ねていったが、レーススタート直後同様に雨が止み、急速に路面が乾きはじめた。ピットでの遅れを取り戻すためには、ここでスリックタイヤにいち早く交換し、追い上げるしかない。チームは73周目、岩澤を呼び 戻すとスリックに交換した。

このときはレコードラインこそ乾きはじめていたが、湿度もあってか、なかなかチームの期待どおりには乾いていかなかった。レース最終盤にはすっかりスリックタイヤの方がタイムは上回っていたが、思うような追い上げには繋がらず。Yogibo NSX GT3は 最後は20位でチェッカーを受けることになった。

ドライコンディションでのスピードは間違いなくあったが、レース展開、さらにピットでのアクシデントと、第4戦のYogibo NSX GT3はそれをしっかりと活かすことができなかった。しかしドライでのポテンシャルアップは、間違いなく今後に繋がるはず。悔しさと、今後に繋がる手ごたえを得てYogibo Racingは第4戦を終えることになった。


Race Comment

レースコメント

反省が多い一戦でしたが
今後に期待ができます

芳賀美里 監督
MISATO HAGA
Twitter:@misato_SUPERGT

公式練習のタイムから予選Q1を突破できる手ごたえを十分に感じ、上位でスタートをするためにQ2の結果を考えた作戦にでました。Q1を岩澤選手、Q2には多くニュータイヤをテストしていていた伊東選手に託しましたが、迎えたQ1では周囲がタイムを上げる中、我々は思うようなアタックができず、Q1突破ができませんでした。チームのショックも大きかったですが、決勝は距離も長いので、追い上げようと気合を入れ直しましたものの、めまぐるしく変わる天候もあり思うような展開にはできませんでした。今回は獲れるポイントを逃してしまったという気持ちが大きく、反省が多いレースでした。ただクルマはすごく良くなって いますので、悔しいながらもこの先に期待ができる週末でした。次戦鈴鹿は期待して下さい。

決勝は楽しかったです
次戦は上位進出を

伊東黎明 選手
REIMEI ITO
Twitter:@reimei_ito

決勝レースではスタート直後は濡れていたのですが、乾いてきてドライタイヤに換えてからは感触もすごく良く、タイヤのポテンシャルをしっかりと発揮することができました。ペースも良く、どんどん追い上げることができたと思います。結果的に入賞圏内の手前まで追い上げられました。今季自分のスティントでは二度の赤旗もありましたし、クルマも良くなかったので、個人的には初めてレースらしい戦いができたと感じています。楽しかったですし、チームの皆さんも『グッジョブ』と言ってくれたので良かったです。岩澤選手に交代してからピット作業でのミスがあったので、それがなければ、という気持ちもあります。この方向性の良さを次戦鈴鹿に繋げられればさらに良くなると思いますし、予選も決めて決勝も上位進出を狙いたいですね。

得るものが多い週末
良い順位にいけたはず

岩澤優吾 選手
YUGO IWASAWA
Twitter:@yugoiwasawa

レース序盤、伊東選手がすごく良いペースで走ってくれて『チャンスがある!』と感じていたのですが、僕に交代してコースインした後、タイヤを温めようとしたところで、変な音がしてまっすぐ走らなくなってしまって。ストレートでもななめを向いてしまうような状況になってしまいました。左リヤタイヤがうまくはまっていなかったようでしたが、ちゃんと走れていたら良いポジションにいけていたと思うので悔しいです。赤旗からの再開後、チームとしてもギャンブルすると思い、早めにドライタイヤに換えましたが、少しタイミングが早すぎましたね。終盤は大変でした。今回は公式練習から速いところもみせられましたし、ポジティブな部分が多かったので、ちゃんと繋げられたら結果は残ると思います。得るものが多い週末でした。


Information

Yogibo公式ホームページで
Yogibo Racing公式グッズが買える!

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