Race Report from Circuit

2022/05/31

第1戦 セパンインターナショナルサーキット:アジアへの挑戦がスタート – 2022 GT World Challenge Asia

SEPANG INTERNATIONAL CIRCUIT
May 21 [SAT] – May 22 [SUN]
Yogibo FERRARI 488 GT3 [GT3 class]
Naoki Yokomizo
Shoto Mitsuyama

Qualify : Race1=1st Race2=7th
Race : Race1=4th Race2=4th

アジアへの挑戦がスタート。
灼熱のセパンで存在感をみせる


Practice & Qualify

フリープラクティス/予選

2022 年、ファナテックGT ワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS に新たな挑戦の場を求めたYogibo Racing。オフシーズンの間に使用するフェラーリ488 GT3 EVO、新たなチーム体制を構築し、いよいよ5月21 日(土)〜22 日(日)に開幕戦を迎えることになった。今季はシリーズ6戦のうち4戦が日本での開催だが、迎えた第1戦の舞台は、マレーシアのセパン・サーキット。過去にはF1 も開催されたコースだ。もちろん赤道に近く、一年を通じて気温30℃以上という酷暑のなかでのレースとなる。

ここ2年間、コロナ禍のため開催できていなかったシリーズだが、その余波か開幕戦はニュージーランドやマレーシア等から合計8台がエントリー。そんななかで、美しいブルーに彩られたYogibo Racing のフェラーリは大会ポスターに使用されるなど、日本からの唯一のチャレンジャーとして高い注目を集めた。

迎えた5月19 日(木)のペイド・プラクティスから走行を開始すると、まずエースの横溝直輝、そして2021 年にYogibo Racing のドライバーを務め、今回は代役参戦となる密山祥吾と交代しながら周回。いずれもすくない周回となってしまったが、5月20 日(金)のフリープラクティスでは密山、横溝、密山と交代しつつ、少しずつ周回数を伸ばしていった。アジアの強豪たちは速いが、Yogibo Racing は少しずつタイム差を縮めていき、金曜のオフィシャルプラクティスでは、6番手につけ2日間の走行を締めくくった。そして、ストレートスピードではフェラーリが優位にあることも確認することができた。

明けて5月21 日(土)は、二度の予選とレース1が行われる忙しいスケジュール。現地時間午前11 時27 分からの予選では、それぞれドライバーひとりずつがアタックしレース1、レース2のグリッドを15分ずつの予選で決めるが、予選1回目で横溝が魅せた。 アジアのブロンズドライバーたちが相手とは言え、横溝はいきなり2分07 秒686 というタイムをマークすると、ライバルたちを寄せ付けずレース1のポールポジションを獲得。記念すべきアジアデビュー戦の最前列につけてみせた。続くレース2の予選では、密山が果敢にアタックするも、ル・マン24 時間ウイナーなど強豪ぞろいのなか、2分08 秒064 で7番手という順位につけ、決勝を見すえることになった。


Race1 Report

決勝レース1

現地時間午後3時15 分からの決勝レース1。賑やかな雰囲気のなか迎えたレースのスタートドライバーを務めたのは横溝だ。栄えあるポールポジションからスタートを切ると、2番手以下のライバルたちのバトルを後目にグイグイとリードを広げていく。まわりはいわゆるジェントルマンドライバーが多く、横溝のライバルとなり得る存在ではなかった。横溝は前半パートでなるべく多くのマージンを築き、後半世界のトッププロたちと戦う密山に余裕をもたせるべく、スパートをかけていった。

昨年まで参戦していたSUPER GTと異なり、GT ワールドチャレンジ・アジアではピットウインドウが設けられ、レース開始25 分から35 分までの間にドライバー交代とピット作業をこなさなければならない。ピット時間も規定で特定の車両だけが速いようなことはない。横溝は後半を見据えながら5周目には4秒、10 周目には7秒ものリードを築いていった。

スタートから33 分が経ち、横溝はピットイン。密山に交代する。練習してきたドライバー交代はうまくいったが、左フロントタイヤの交換に時間を要してしまう。これが大幅なタイムロスに繋がってしまい、ライバルよりも40 秒もの時間がかかってしまった。

これで密山は5番手にドロップ。その後もストレートスピードを活かしながら、#51 ポルシェとサイド・バイ・サイドのバトルを展開するなどなんとか4位に食い込んだが、狙っていた表彰台にはわずかに届かぬ結果でレース1 を終えることになってしまった。


Race2 Report

決勝レース2

惜しくも表彰台に届かぬ結果となってしまったレース1から一夜明け、5月22 日(日)午後0時にスタートを迎えたレース2。Yogibo Racing は7番手から追い上げを目指すことになった。規定により、この日のスタートドライバーを務めたのは密山だ。アジアのトップと競り合いながら、1周目から#22 アウディと毎周順位を入れ替えるバトルを展開していく。

トップを走るマシンが逃げていくなかで、密山は26 分を走りピットイン。横溝直輝に交代する。前日の轍を踏むまいと、チームクルーも密山の頑張りに応え、しっかりと横溝を送り出す。

前日のレース1とは逆のパターンで、今回のレース2でも横溝のスティントはジェントルマンドライバーが多い。その状況を活かし、横溝はレース後半、グングンと追い上げをスタートさせていった。

19 周目には#99 メルセデスをとらえ5番手に浮上した横溝は、さらに前方を走る#22 アウディとのギャップを少しずつ詰めはじめていく、ただ、レースも残り時間が刻一刻と少なくなっていった。

そんななか、横溝は鬼神の追い上げで25 周目には#22 アウディをオーバーテイク。4番手に浮上する。ただ、トップ3はその先。またも表彰台には届かぬ4位という結果でレース2を終えることになった。


Race Comment

レースコメント

芳賀美里 監督
Twitter:@misato_SUPERGT

Yogibo Racing にとって新たなアジアへの挑戦となる、GT ワールドチャレンジ・アジアの開幕戦となりましたが、土曜のレース1の予選では、横溝選手の素晴らしいアタックによって、Yogibo Racing 初のポールポジションを獲得できました。レース1の決勝はポールからレースをリードし、トップのままピットインすることになりましたが、不運なトラブルもあり、残念ながら4位でのゴールとなってしまい、表彰台に上がることができる大きなチャンスを逃してしまいました。悔しいですね。日曜日のレース2は密山選手からのスタートで7番手から追い上げて、順位を上げることができたものの、表彰台にはわずかに届かず、2戦連続の4位という結果となりました。次戦からはしばらく日本のサーキットでのレースになりますが、エントリーも多く増えると聞いておりますし、そんななかで良い戦いができるよう、しっかりとチーム力を上げていきたいです。日本から届いた皆さんのご声援に感謝いたします。応援ありがとうございました。

横溝直輝 選手
Twitter:@NaokiYokomizo

新生Yogibo Racing の結成初レースで、レース1ではポールポジションからスターティンググリッドに並ぶことができたのがとても嬉しかったです。しかし、新チームが挑戦する初めての海外戦で、試練という感じで次々と予期せぬトラブルが起きてしまい、後手後手に回ってしまったことから、表彰台を逃す結果となってしまいました。そんな中でも、チーム初のポールポジションを獲得できましたし、レース内容からも分かるとおり、Yogibo Racing のポテンシャルが高いことを証明できました。次戦からの4ラウンドは日本でのレースとなりますが、30 台近くのエントリーがあると聞いております。今回の反省点を活かし、第2戦鈴鹿からはギアを一段上げて、チーム初優勝をプレゼントできるように、しっかりと気合を入れていきます。

密山祥吾 選手
Twitter:@MitsuyamaShogo

Yogibo Racing のドライバーとして第1戦に参戦させていただきました。木曜にトラブルが発生してしまいましたが、これがタイヤとのマッチングの面で痛手でした。予選は横溝選手が素晴らしいタイムでポール獲得してくれました。プロが集まるBドライバー予選は私が担当し7番手と厳しいものでしたが、短い時間の中である程度クルマを理解できたのは良かったと思っています。レース1ではタイヤ交換でミスがあり、その後は粘り強く走り、4位でチェッカーを受けました。レース2は私がスタートでプロ勢が担当するなか集団に食らいつきましたが、上位陣は速く難しいレースでした。彼らに追いつけるようハードワークが必要ですね。今回さまざまな弱点が発見できたので、今後が楽しみです。ご声援ありがとうございました!


Information

第2 戦からはいよいよ日本へ!
GTWC アジアは全6戦開催

2年ぶりにシリーズが開催されるGT ワールドチャレンジ・アジアは、第1戦セパンを終えいよいよ第2戦から日本を舞台に4戦が争われ、最終戦をインドネシアのマンダリカで開催。Yogibo Racing は全戦に参戦予定だ。日本では右記スケジュールで開催予定。ぜひサーキットでYogibo Racing にご声援を!


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