SUZUKA CIRCUIT(JPN)
August 26 / SAT – August 27 / SUN
Yogibo NSX GT3 [GT300 class]
Driver : Yugo Iwasawa / Reimei Ito
スピードを取り戻し上位争いを展開
9位に食い込み今季2回目の入賞
Report of Saturday
土曜日公式練習/公式予選
第4戦から続く好調
公式練習から速さみせる
富士スピードウェイで行われた第4戦では、思わぬ結果となった予選、変わりゆく天候に翻弄された決勝と、結果を残すことができず20位に終わったYogibo Racing。しかしこのレースではYogibo NSX GT3のセットアップに光明を見出しており、速さが
戻ってきていたことは事実。チームはその流れを繋げるべく、8月26日(土)〜27日(日)に迎えた第5戦に臨んだ。
6月の第3戦と同じ鈴鹿サーキットが舞台だが、気温がまったく異なり、迎えた8月26日(土)は気温33度という暑さで迎えた。チームにとって不測の事態となってしまったのは、この週末芳賀美里監督が突然の体調不良により、サーキットに来場で
きなくなったこと。幸い芳賀監督は大事には至ってはいなかったが、密山祥吾監督代理を中心として芳賀監督に朗報を届けるべく、チームが一丸となってレースウイークに臨んでいくことになった。
Yogibo NSX GT3は、午前9時15分から行われた公式練習で岩澤優吾からコースイン。二度のピットインを行いながら、14周目には1分59秒797というベストタイムを記録し、16周をこなした後ピットへ。岩澤の感触は「それほど悪くない」というも
ので、交代した伊東黎明も「前戦のような感触ではなかったですが、セットアップを進め良くなってきました」と好感触。岩澤のタイムで順位は3番手。
手ごたえを得て公式練習を締めくくった。
ひさびさのQ2進出
予選8番手につける
公式練習での好結果を繋げるべく臨んだ公式予選は、直前のFI A-F4 の遅れの影響で、10 分ディレイとなる午後3時20 分から始まった。午前から変わらず気温33 度という酷暑のなか、B組からQ1 に臨んだYogibo NSX GT3 のアタッカーを務めたのは伊東だ。
伊東は4周目、1分59 秒548 というベストタイムを記録。4番手で開幕戦以来のQ1 突破を果たしてみせた。ただ伊東本人にとっては「アタックとしてはぜんぜん納得いかなくて、1周しっかりまとめることができませんでした」という結果に。とはいえ、しっかりとQ2進出を決め仕事を果たした。
待望のQ2 のアタックを務めることになった岩澤は、「黎明がしっかり結果を出してくれたのは嬉しかったですが、僕も頑張ってアタックしたものの、まわりのベテランドライバーさんたちの上げ幅が大きかったです」と1分59 秒292 というタイム。他車のペナルティもあり結果は8番手だった。「自分の課題が見えたと思います」と岩澤は新たな課題も得ることに。結果の嬉しさと、それぞれの課題が入り交じる予選となった。
Report of Sunday
日曜/決勝レース
強豪たちと熾烈な争い
入賞圏内を争う
この週末はずっと酷暑が続いていた鈴鹿サーキットだったが、予選後の夜には雨も降り、決勝日の朝はいくぶん暑さが和らぐなかで迎えた。ただ、昼までにどんどんと気温が上がり、午後2時45 分にパレードラップが始まった決勝は、気温33 度/路面温
度50 度というコンディションで始まった。
芳賀監督不在をフォローすべく、木村誠司YogiboCEO もピットレーンでチームを助けるなか、伊東がスタートドライバーを務めたYogibo NSX GT3 は、強豪ぞろいの序盤戦を戦っていく。今回のレースも450km という距離で2回の給油をともなうピットイ
ンが義務づけられているが、5周を過ぎると、早めにピットインを行い空いたスペースを走るアンダーカットを狙う車両が出てきた。Yogibo NSX GT3 も上位争いでのタイムロスを避けるため14 周を終えてピットイン。伊東がステアリングを握ったまま、まずは一度ピット義務をこなした。
一方ピットインを引っ張ったライバルたちは、24 〜27 周目あたりに続々とピットイン。各車が一度目のピットを終えると、伊東がドライブするYogibo NSXGT3 は7番手前後を争うポジションにつけた。伊東は早々にピットインしていた#7 BMW を34 周目にかわすなどポジションを上げていき、37 周目には序盤ピットインした陣営の2回目のピットにともない、4番手まで浮上。伊東は39 周まで走るとふたたびピットインし、岩澤に交代することになった。
今季のSUPER GT は中盤以降大きなアクシデントがあったり、雨が絡み展開が複雑化することが多かったものの、この第5戦はストップ車両発生によるフルコースイエロー(FCY)導入こそあったが、セーフティカーラン等はなくレースは進んでいった。ただ45 周目、ランキング上位を争っていた#56 GT-R が130Rでクラッシュし、このため2回目のFCY が導入されることになった。このタイミングをうまく使いピット
インした2台がその後のレースでトップ争いを展開していくことになるが、彼らはレース中盤、Yogibo NSX GT3 の後方を走っていた2台。必然的にYogibo NSX GT3 はふたつ順位が下がってしまった。
とはいえ、これはレース中の“運” も絡むことであり、下を向いてもいられない。各車が2回のピットストップをこなすと、Yogibo NSX GT3 の順位は8番手。入賞圏内を戦うことができていた。コクピットの岩澤は前を追い、チェッカーを目指していった。
8位は間近も……
岩澤には悔しい最終周に
しかし、31 周という非常に長いスティントをこなしタイヤに苦しみ始めていた岩澤の背後から、#96 RC F が接近してきた。しかもドライブしているのは、岩澤の成長を支えてきてくれた“師匠” でもある高木真一選手。百戦錬磨のベテランだ。岩澤はしっかりと順位を守り切り、成長を見せつけたかった。
岩澤はファイナルラップまで8番手を死守していたが、最終周の逆バンクで後方から迫ったGT500 車両を先行させる際、#96 RC F が老獪なテクニックをみせ岩澤をかわしていった。Yogibo NSX GT3 は9位でフィニッシュし、ひさびさのポイントを獲得することができたが、8位を守り切れなかった岩澤にとっては悔いが残るファイナルラップとなってしまった。
しかし、上位を争わなければこの悔しさは味わうことはできない。何より岩澤にとって今後の成長への大きな糧にもなった。この悔しさをさらなる上位進出に繋げるべく、Yogibo Racing はスポーツランドSUGO での第6戦に臨む。
Race Comment
レースコメント
チーム力向上を
感じられたレースでした
芳賀美里 監督
MISATO HAGA
Twitter:@misato_SUPERGT
公式練習から、今回こそQ1 を上位で突破できる手応えがありました。Q1 の伊東選手が期待どおりの仕事をしてくれ、Q2 の岩澤選手につなぎ9番手とシングルに。その後は他車のペナルティで繰り上げとなり、8番手から決勝を迎えることになりました。十分に表彰台圏内を狙えたと思います。決勝では前半伊東選手が4番手まで追い上げ、岩澤選手にドライバー交代。ピット作業でもミスなく、後半も追い上げるレース展開となりました。タイヤは後半厳しくなりましたが、ファイナルラップまで後続を抑えたものの、結果的にチェッカー目前でかわされ9位となりました。今回はポイントを獲得できたことはもちろん、チーム力が上がったと感じられるレースでした。次のSUGO は表彰台を目指し、諦めずに挑戦していきます。
悔しさもあったレース
次戦は予選から上位に
伊東黎明 選手
REIMEI ITO
Twitter:@reimei_ito
レース序盤は、上位陣の“トレイン”に引っかかってしまうかたちとなりました。僕たちはセクター1が速かったのですが、引っかかってしまったこともあり、早めにピットインする決断を下しました。僕の第2スティントでは、初めて履くタイヤを使ったのですがとても感触が良く、トップと同じくらいのペースで走ることができたと思います。ただ、スティント終盤にもう少しタイムを縮められれば、最後は岩澤選手に楽をさせてあげられたのかな、と思うと少し悔しいです。
ポイントは獲れましたが、悔しさもあります。 次戦のSUGOはNSX GT3にとっても相性が良いサーキットだと聞いていますし、僕自身もこれまで優勝を飾ったりと、好きなサーキットでもあります。ガツンと予選上位につけて、決勝でもそのまま勝ちに行きたいです。
最終周はすごく悔しい
次戦はチャンスだと思う
岩澤優吾 選手
YUGO IWASAWA
Twitter:@yugoiwasawa
スタートから伊東選手が良いレースを展開してくれて、僕に交代した直後はすごくペースも良かったです。ただそこからはタイヤの落ち幅があり、なんとかドライビングでカバーしようと試行錯誤しながら走っていました。僕たちが履いていたソフトタイヤがどれくらい落ちるか検証できていなかったのですが、最後はペースが厳しくなりましたね。終盤、#96 RC Fの高木選手がうしろから来ていて、ファイナルラップで逆転されてしまったのはすごく悔しいです。絶対に抜かせないと思っていたのですが、やられてしまった。抜かれた後のテクニックもすごくて、チームのために結果に結びつけられなかった悔しさもありますが、 同時にすごく勉強にもなりました。次戦のSUGOは上位進出のチャンスだと思うので、しっかり頑張っていきたいです。
Information
私たちにも会いに来てください!
Yogibo Racing Girlsが活躍中
サーキットでも大きな注目を集めているYogiboRacing ですが、毎戦ピットウォークやグリッド、キッズピットウォーク等を盛り上げてくれている
Yogibo Racing Girls も大活躍中です。
今シーズンは昨年から継続して活躍してくれている青木もも(@momo_aooki)、そして新人レースクイーンの早乙女るな(@RunaSaotome)、立花し
おり(@tati bana_shi ori)、そして日本レースクイーン大賞 2023 で新人部門入賞を果たした一之瀬優香(@ichinose_yuka)=写真という4名がサーキットで活躍中です。
今シーズンも残り3戦となりましたが、ぜひピットウォーク等のイベントで彼女たちにも会いに来てください!