Race Report from Circuit

2023/06/12

第3戦 鈴鹿サーキット:なかなか噛み合わない歯車。苦しい展開のなか収穫得るも20位で終わる – 2023 SUPER GT

SUZUKA CIRCUIT(JPN)
June 3 / SAT – JUne 4 / SUN
Yogibo NSX GT3 [GT300 class]
Driver : Yugo Iwasawa / Reimei Ito

なかなか噛み合わない歯車
苦しい展開のなか収穫得るも20位で終わる


Report of Saturday

土曜日/公式予選

公式練習から
スピードが伸びず

2023年のSUPER GT開幕となった第1戦岡山では4位とシリーズ開幕を好結果で終えたものの、5月の第2戦富士では思わぬ苦戦を強いられることになったYogibo Racing。迎える第3戦の舞台は、世界屈指のドライバーズサーキットである鈴鹿だ。今回も450kmという長丁場のレース距離で、2回のピットストップが義務づけられるが、決勝レースで好結果を残すためには、まずは最低限のスピードが必要だ。そして、それを証明するためにも公式予選で好位置につけておきたかった。

予選日前日の6月2日(金)は終日大雨が降っており、SUPER GT関係者も移動の影響を受けてしまうほどだったが、迎えた6月3日(土)の鈴鹿サーキットは、朝から晴天に恵まれた。ところどころ濡れた部分は残っているものの、午前9時15分からスタートした公式練習は晴天。Yogibo NSX GT3は今回は岩澤優吾からステアリングを握り、GT3カーで初めての鈴鹿に慣れ、かつセットアップを進めるべくラップを重ねていった。

岩澤は17周を走った後、こちらも初めてGT3カーで鈴鹿を走ることになった伊東黎明に交代。終盤、伊東が1分58秒319というタイムを記録し、Yogibo NSX GT3は13番手で公式練習を終えた。

ただ、雨上がりということもありコンディションは午後の予選に向けて大きく上がっていくことも予想された。

予選はQ1突破ならず
前戦と同じ23番手に

公式練習後も伊東と岩澤がフルコースイエローの訓練をこなし、さらにサーキットサファリでは岩澤がドライブするなど、午後の公式予選に向けてYogibo NSX GT3はラップを重ね、ピットウォークをはさみ午後3時25分から始まった予選Q1のA組に臨んだ。

アタッカーを務めた岩澤は、タイヤをウォームアップさせ4周目に1分58秒617というタイムを記録する。公式練習からはコンディションが大きく上がっており、その分岩澤のタイムも大きく上がっていたが、ライバルたちのタイムアップの幅が大きく、Yogibo NSX GT3はQ1のA組を12番手で終えることになった。

「公式練習から黎明とセットアップを詰めていき、これでいけそうだという感触があったのですが、まわりもその分詰めていた感じでした。自信があったので悔しいです」と岩澤。

この結果、Yogibo NSX GT3は予選総合では23番手と、前戦と同じグリッドとなった。ちょっとしたコンディションの変化でSUPER GTはタイムが大きく変動するが、このへの対応にはまだまだ課題もあった。


Report of Sunday

日曜/決勝レース

粘り強く戦うも
ピットワークでミスが

迎えた6月4日(日)の決勝日は、晴天に恵まれ2万2000人の観衆が訪れた。長丁場となる450kmの決勝は午後1時30分にフォーメーションラップがスタートした。今回スタートドライバーを務めたのは岩澤だ。2回の給油を伴うピットストップが義務づけられており、序盤から空いたスペースを狙って早々にピットストップを行うチームが現れるが、序盤6周目に#18 NSX GT3のタイヤが外れヘアピンでストップすると、8周目にセーフティカーが導入された。

ここで、Yogibo NSX GT3も10周を終えピットイン。さらにセーフティカーラン明けの12周を終えピットインし、どちらも作業時間を短くし、ラップダウンにならずにセーフティカーに追いつきつつ、1回目のピット作業義務をこなす作戦をセレクト。他 にも同様な選択を行うチームが複数おり、Yogibo NSX GT3もコース上の空いたところを走る作戦を狙った。結果的には、この作戦を採ったチームのなかには上位入賞を果たしたチームもいた。

ただ、この作戦はセーフティカー導入時に即座に決断し、作戦意図を理解し遂行することが重要だった。チームは何度も無線でコミュニケーションを取りながら作戦を行ったが、この2回のストップのなかで、ピット作業違反があった。岩澤が20周目をこなすころ、Yogibo NSX GT3 にはドライブスルーペナルティが課されてしまった。

岩澤はすぐにペナルティをこなし、24番手から追い上げをスタートさせていった。ドライブスルーペナルティの遅れは大きかったが、前日から取り組んだセット変更が功を奏し、ペースは悪くない。岩澤はしっかりと41周までの長丁場をこなし、自らの大役を果たすとピットイン。伊東にステアリングを託し、2回のピット作業義務を済ませた。

ここまでのレースでは、#18 NSX GT3をのぞきほとんどトラブルに見舞われたライバルはなく、ふたたびテールエンド近くまでポジションを落としてしまったが、それでもYogibo NSX GT3を駆る伊東は諦めることなくペースを保ちながら追い上げていく。

ただ少しずつ順位を上げていき、レースが終盤を迎えるころ、130R立ち上がりで大きなアクシデントが発生してしまった。コクピットの伊東は安全に減速しながら事故現場を通過したが、日立Astemoシケイン進入外側のフェンスの下にGT500車両が大破していたほか、その先にGT300車両が停止していた。

最後は大きなアクシデントで
赤旗のまま終了に

レースはアクシデント発生から数秒後にセーフティカーが宣告され、さらにドライバー救出のため赤旗中断となった。幸いなことに、ふたりのドライバーの生命に別状はなかったものの、衝撃でアウト側のフェンスが破壊されており、レース再開は不可能と判断。午後3時40分、そのままレース終了が宣言された。

Yogibo NSX GT3を駆る伊東は、メインストレートに車両を止めたままレースを終えることになった。伊東は第1戦岡山でもフィニッシュドライバーを務めていたが、第1戦も強雨のため赤旗終了に。2戦で二度完走を果たしていながら、一度もチェッカーフラッグを受けておらず、思わず苦笑いを浮かべた。

Yogibo NSX GT3の順位は20位。ペナルティが響き追い上げは叶わなかったが、ドライバーのふたりは順位の悔しさを感じつつも、難しい鈴鹿というドライバーズコースで、首位と同一周回で走り切ったことで得られたものの大きさが、今後のシリーズに 繋がるという確信を得ていた。


Race Comment

レースコメント

結果に繋げるために
チーム力向上を

芳賀美里 監督
MISATO HAGA
Twitter:@misato_SUPERGT

結果的に少し残念なレースになってしまいました。23番手スタートだったこともあり、ある意味賭けた戦略に出ましたが、ピット作業のミス、ペナルティをとられてしまったのが悔しいです。想定外の時に対応するチーム力が必要ですね。その後ドライバーふたりも追い上げようと最後まで頑張ってくれましたが、結果に繋げられなかったことが悔しいです。また今回も赤旗でレースが終了。大きなクラッシュが起き、私としても考えさせられるレースとなりました。次戦まで2ヶ月ほど間隔があきますし、ここ2戦で何が悪かったのか把握し、段階を踏んで戦えるようチーム力を上げていきたいです。ドライバーもマシンもチーム力も成長しているのは確かですので、それが合致する良い結果を見せられるよう、今後に期待してください。

今回のレースは
シーズンで活きるはず

伊東黎明 選手
REIMEI ITO
Twitter:@reimei_ito

公式予選の結果があまり良くなく、土曜はクルマの動きも満足することができなかったので、決勝レースは下の順位であればできるようなセットアップ変更を臨んでいきました。方向性としてはまったく違うもので決勝レースに臨んだのですが、ポジティブな部分もあれば、悪くな っている部分もありました。シーズンを通してみれば今回のレースは今後活きてくるものだと 思います。岩澤選手のペースが良かったので、入賞圏内に届くことができれば良かったのです が、途中ペナルティがあったのがもったいなかったですね。次戦は富士ですが、第2戦の富士は 苦しさしかない週末でした。今回得たデータを今後活かしたいですし、次戦は笑って終われる ようにしたいです。第1戦は展開に恵まれたところもあったので今度は実力で入賞したいです。

ダブルスティントで
得られたことも多かった

岩澤優吾 選手
YUGO IWASAWA
Twitter:@yugoiwasawa

決勝はスタートからダブルスティントを担当することになりましたが、今週ずっとセットアップを詰めてきたことがつながりレースペースとしては悪くないものでした。ずっと抱えていたリヤタイヤが厳しい状態はあまり変わりませんでしたが、セットアップを進めることができたのは良かったです。僕としてはSUPER GTでの初めてのダブルスティントで、長い時間を乗ることができましたし、タイヤの状況が良いときも悪いときも経験でき、ドライビングの仕方など多くのことを学ぶことができました。レースペースは良かったので、公式練習から公式予選まで流れを掴むことができなかったのが悔しいところです。とはいえ、今回のレースで方向性を掴むことができたのではないかと思います。次に繋がるレースになったのではないでしょうか。


Information

『#フォロリツキャンペーン』は
第3戦鈴鹿でも大好評に終わる

Yogibo Racingでは、5月の第2戦富士から、Twitterアカウント(@YogiboRacing)で Yogibo Max Racing Editionが当たる『フォロー&リツイートキャンペーン』を開催してきました。第2戦でも非常に多数のご応募をいただき、大好評にお応えして第3戦鈴鹿でも実施。SUPER GTのロゴ、さらに鈴鹿サーキットのコース図と今回の第3戦鈴鹿の日付けが入った、スペシャルなYogibo Max Racing Editionが用意されました。

今回も4,500リツイートを越える多数の反響をいただき、3名様にプレゼントをさせていただきました。今後のラウンドでも実施していく予定なので、ぜひTwitter(@YogiboRacing)をフォローしておいてください。


レースレポートPDFダウンロード